星を数えて。

ネガティブOL。34歳。

人生の時間配分。

人身事故でぎゅうぎゅうの東西線


右にいる人(サラリーマン①)も前にいる人(サラリーマン②)も狭い領域でなんとかスマートホンを見ようと姿勢を変えながらもぞもぞしてる。


チラ見すると2人ともLINE画面を開いてた。


そんなにLINEを見たいのか。


さらに眺めてるとしょーもない内容で。


別に緊急でもなんでもない事柄。(「何々買ったー」とか。)


名前からして相手は女の子。


さらにさらに眺めてると、トーク履歴の一覧をスッスッと動かして別の女の子のトークを開いてコツコツ返信。


一覧に、トークが来ていることを示す中央に数字がある赤い丸が並んでいる。


順番に返してるのではなく選んで返してる。


1、2、飛んで5、6段目に赤丸が点在しているのだけど、5段目は抜かして2段目を開いて返信、とかやっている。


結局人は時間をかける相手を常に考えて選択しながら時間を消費している。


いつまでも返事が来ないのは自分の赤丸が彼にとって取るに足りない存在だからだ。


赤丸だけじゃなくて、自分の存在そのものも取るに足りない存在だってことだ


どんなに忙しくても限りある時間の中で現代人は人とつながることを渇望してる。


その中で選ばれるか、選ばれないかだけの問題なのだ。


満員電車で手も足も出ない中、私のポケットの中でスマートホンがブルッと振動した。


誰からなのか気になるけれどこの状態では何もできない。


待っている相手がいるからこそ、通知のバイブはそんなに簡単に無視できない。


皆だってそうだろう。


電車からやっと脱出し、即座にポケットに手を入れて画面を確認したら一番返信を望む相手からの返信スライドが表示されていた。


開いてすぐに返信した。


待ち合わせをしていた、ある平日の話。