星を数えて。

ネガティブOL。34歳。

誰かに。

誰かに好かれたいからと、相手をしてくれる誰かにしがみつく。

 

定期的にメールして、週末の予定を埋めてくれる誰かがほしい。

 

それだけなんだろう。

 

好きかも嫌いかも分からないまま、欲望だけが先行する。

 

手に入れようと走るのにいつまでも追いつかないような不透明さ。

 

強く掴もうとしても、あっという間にすり抜けて。

 

好きってなんだろう。

 

何してるのかな。

 

ご飯作ってあげたいな。

 

映画、一緒に観に行きたいな。

 

そんな相手なんだろう。

 

今、目の前にいる相手はそうなのだろうか?

 

そう思っているのだろうか?

 

そう思っているような、思っていないような・・・。

 

曖昧に自分を誤魔化す毎日。

 

離れていくと、ふと不安になる。

 

それがこの人を好きなんだという感情にすり替わる。

 

でも、実際は焦ってるだけ。

 

好きなんかじゃない。

 

私のこと、好きでしょ?

 

そうでしょ?

 

って実感できないのが不安なだけ。

 

出会いばかり提供されるのに、誰も選べない。誰からも選ばれない。

 

いつか出会えると思ってた。

 

だからできるだけ力を注いでた。

 

動かなければ誰にも出会えないじゃんっ、って。

 

でもきっとこの根本的な闇が解決されない限り、同じことの繰り返しなんだ。

 

混沌とした思いを表すような春がもうすぐ訪れる夜空。

 

月と星が嘲笑ってる。

 

生ぬるい、冬と春の香りが混ざった風。

 

好きかどうかも分からない相手に、今日も私はメールを送る。

 

※フィクションです。