有村架純目当てで観たけど予想以上に面白くていい映画だった。
※以下、ネタバレしまくります。
あらすじは予告編そのまんまの内容。サブカルな男女が偶然の出会いで恋をして付き合うようになって同棲も始めたけど社会人になってからすれ違うようになって・・・というストーリー。
陳腐だけど内容がすごく現実的で私は好きだった。
以下、色々思ったことをババーっと書いてみる。
まず、有村架純と菅田将暉は確かに美男美女だけど、序盤の付き合うまでの2人のサブカル感あふれる人種の演技がちょっと気持ち悪かった。同族嫌悪かもしれない。
サブカル人種の興奮して話す口調や言葉遣いが2人の演技にあまり合ってない。
美男美女を使って上手くごまかしてるけど真のサブカル人種を思い浮かべると2人のルックスやファッションへの違和感も結構あった。
また、2人が初めてキスをした後に有村架純が「こういうコミュニケーションは頻繁にしたい方です」とつぶやくシーンも気持ち悪かった。
このシーンは「かわいい!」と評判だったようだけど、私は無理。
遠まわしな感じで気持ち悪いし、「こういうコミュニケーション」と言うとSEXも連想してしまい「性欲強いって設定なんだ・・・」とつい思ってしまった。
地味で芋い女に「私、モテちゃって」と自慢された時の違和感と不快感をふと思い出した。
ただ、交際や同棲が始まってからは自然なストーリーで「それは変じゃない!?」と思うシーンは特になかった。
私が良いなと思ったのが「2人の生活がすごく現実的」であったこと。
就活や将来の葛藤に負けて2人とも内定を取らないまま大学を卒業し、その後特にいざこざもトラブルもなく生活するも、親たちからの指摘もあって「やっぱり就職しないとね」と就活を再開し、働き始める所とかとてもよかったと思う。
よくあるのが「夢を諦めていいの!?夢を追いかけなくていいの?」とお互い葛藤するパターンだけど、オチがなんとなく見えるしこういうシーンを見ると「またかー」と思ってしまう私にはこの展開は好感が持てた。
その後仕事に忙殺される菅田将暉に対して有村架純の心が離れ始めていく。
「有村架純がかわいすぎて菅田将暉にイライラしてくる」という感想を見たことがあるけど、正直私は菅田将暉が演じる男はすごくまともでかっこいいと思ったし、結婚すべき男だと思った。
逆に何にイライラするのかが分からない。
自分が抱く夢と自分の実力を俯瞰して、就職した方がまともであろうと判断して就職し、一生懸命働いて、仕事は遊びじゃない、苦しくても仕方ないと割り切ってる大人な男性だと私は感じた。
暴力を振ったわけでも八つ当たりをするわけでもなかったし、浮気をしたわけでもなかった。この感想を書いた人は社会人になったことがないのかな?
そういう意味でもある意味大人向けの映画なのかもしれない。
菅田将暉がプロポーズするも「2人の愛が冷め始めてるのにこのまま結婚していいのか」とモヤモヤする有村架純。
結局結婚する道は選べず、2人は別れてしまう。
適齢期で別れを決断する苦しみがふと蘇ってきて、ファミレスのシーンで私は泣いた。
そう、これが嫌で私は結婚したんだ、と。
「30手前でもう失恋をしたくない」と思ってた。
だからこそ、別れを決断する結末はあまり納得がいかなかった・・・。
結婚ってそんな状態でしてもいいんだよと私は思ったからだ。
付き合って3年で、同棲もしてマンネリで、もう家族みたいで恋人として見られない、もしかしたら飽きてるのかもしれない、という状態。
それで結婚してもいいんだよと2人に言いたかった。
むしろ結婚すべきだと言いたかった。
結末に関してはたぶん脚本家が「あえてハッピーエンドにしない」という方針にしていたからだと邪推する。
1年後くらいに2人はカフェでお互い違う恋人と一緒にいる状態で再会する。
その時のお互いの新恋人がなー。
菅田将暉は読書なんかに興味がなさそうなギャルと付き合ってて、有村架純はナルシストっぽい頭の回転が遅そうなサラリーマンと付き合ってる設定だった。
なんか前回の恋人と違いすぎて、せめてもうちょっとルックスが良くて聡明そうな人とくっついてる設定にしておいてほしかった・・・。そこもモヤモヤが残ってしまった・・・。
自分につい重ねてしまうのか、やっぱり結婚してほしかったなー・・・というのが私の感想・・・。
そして、「自分は愛しいと思える人とちゃんと結婚できてよかったなー」と幸せを感じた。
この映画は「真剣な恋愛をしたことがある人」にだけ刺さる映画だと思う。
宣伝通り、「最高純度のラブストーリー」でした。
PS.ちなみに私が好きなシーンは焼きおにぎりを2人で並んで食べるシーンと告白された有村架純が「はい、是非。」と言うシーンです。